人々の健康を守る、「看護師」という仕事に憧れる人も多いかと思います。病院の患者さんを回ってサポートして…、というイメージが強いですよね。
でも、看護師として活躍できる場所は、病院やクリニックだけではありません。「訪問看護ステーション」というところで勤務する看護師について、お伝えしていきます。
訪問看護ステーションとは?
そもそも、訪問看護ステーションとは何でしょうか?患者さんが過ごしやすい自宅や老人ホームで療養するために、看護師が訪問を行うための拠点のことです。看護師以外にも、医師や保健師、ケアマネージャー、作業療法士なども所属しています。
基本的にはどんな方でも利用できますが、高血圧・認知症・脳卒中の患者さんが多いようです。医療の見直しや高齢者の増加によって、訪問看護ステーションの数は、ここ10年で2倍以上に増えているとのことです。
今後も需要が高まるといわれており、在宅医療のためには欠かせない存在です。
訪問看護ステーションで働く看護師の仕事内容
では、訪問看護ステーションの看護師について詳しく学んでいきましょう。看護師としての一般的な業務と、訪問看護ステーションならではの業務に分けて、お伝えします。
看護師として一般的な業務
病院勤務の看護師と同じく、主治医の指示に従った必要な業務を行います。
まずは、健康管理。体温や脈拍、血圧、呼吸状態など、基本的なバイタルサインを確認します。指示によっては、点滴や採血を行う場合も。また、訪問が終わったら、引継ぎのために正確な報告書を作成します。
訪問看護ステーションならではの業務
訪問看護ステーションで勤務する看護師の場合、ご家族とのコミュニケーションが重要です。直接訪問するため、接する機会が病院よりも多いのです。
不安や悩みを抱えていることがほとんどなので、患者さんだけではなくご家族に向き合うことも大切。抱えている問題を解決するために、最適なアドバイスや指導を行います。
訪問看護ステーションで働く看護師の特徴
訪問看護師は、病院に勤務する看護師とは違う特徴があります。どんな特徴があるのか、確認していきましょう。
オンコール対応がある
オンコール対応とは、患者さんやご家族からの急な呼び出しのことです。
訪問看護の場合、病院と違って看護師がずっと近くにいるわけではありません。いざという時のために、オンコール対応が必要なのです。訪問看護をしながらオンコール対応を行う場合と、休日でいつも通り過ごしながら電話当番となる場合があります。
看護師を経験してから就業するケースが多い
訪問看護ステーションは、看護師としての経験を積んでから就業するケースが多いです。新卒で活躍している方もいますが、少数派といえるでしょう。
訪問看護は、病院と違って設備が整っていませんし、基本的には一人で対応します。そのため、経験を積んでいない新卒だと、上手く対応できない可能性があります。何かあっても冷静に対応できる経験者の方が求められる傾向にあります。
新卒で目指す場合は、丁寧に研修を行うステーションや、2人以上の体制で訪問するステーションを選ぶと、業務に慣れやすいでしょう。
責任をもって対応する必要がある
人の命に関わる仕事は、それだけ責任がついて回ります。ただでさえ責任感が必要な看護師ですが、中でも訪問看護は基本的に一人で対応します。何か見落としをしたり、間違った対応をしたりしてしまっても、カバーしてくれる人はいません。
患者さんの命を一人で支えているという責任を理解し、慎重に対応する必要があります。実際に訪問看護ステーションで働く場合は、有事の際もすぐに対応してくれるようなところを探すと安心です。
一人一人と向き合える
訪問看護は基本的に、一日に2~3人の患者さんを担当するので、一人一人にじっくりと向き合うことができます。
病院勤務で、患者さんに対して看護師の数があまりにも少ないという状況だと、機械的な作業になってしまう場合も。毎日多忙で、本来目指していた看護師像とはかけ離れてしまうかもしれません。その点、訪問看護であれば、時間をかけて患者さんの健康をサポートすることができます。
患者さんの生活まで関われる
基本的に、病院などの施設で勤務する看護師の場合は、そこだけでのサポートに終わります。普段の生活についてアドバイスをすることはあるかもしれませんが、実際には足を運ぶことはないです。「患者さんにとって自宅が良くない生活環境かもしれない」「アドバイス通りにちゃんと食事していないかもしれない」…このような不安があっても、退院したら見送るしかありません。
一方訪問看護は、自宅や老人ホームなど、患者さんが実際に生活を送る場所に訪問します。その人を治療するだけでなく、生活そのものに関わることができるため、大きなやりがいを感じられます。
まとめ
訪問看護ステーションで働く場合、病院とは違うことが多く戸惑うことも。しかし、患者さん一人一人の性格や人生にじっくりと向き合うことができる、という特別なやりがいもあります。看護師を目指すなら、就職先の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?
一人で対処を行う訪問看護では、どんなことにも対応できる力が必要です。看護専門学校の首都医校(東京)なら、経験豊かな専任教官による「現場対応型の授業」を受けることができます。東京の看護専門学校をお探しの方は、ぜひホームページを覗いてみてください。