時代とともに変わりつつある商社の仕事

就職市場、転職市場において根強い人気を誇っているのが商社。商社は、輸出入や国内の物資の販売業務を中心としている会社です。もう少し詳しく説明すると、いい原材料を出来るだけ安く、在庫リスクの少ない状態で調達したいと考えているメーカーに代わって、商社が適正な量の原材料を仕入れ、メーカーに安定提供していきます。このような商社のビジネスを「トレーディング」と言います。売り手と買い手のパイプ役ともいえる商社は、私たちがお店で好きなものを買ったり、満足のいく日常生活を送ったりするために欠かせない存在です。

商社は、総合商社と専門商社の2種類に分けられます。総合商社とは幅広い分野の商品やサービスを扱っている会社のこと。食料品から繊維、自動車、鉄鋼、石油とありとあらゆるものを扱っています。日本国内では自動車や食品産業に強い三菱商事、金属やエネルギー領域などの資源領域に強い三井物産、繊維や食料品のような非資源領域に強い伊藤忠商事、輸送機やJ:COMなどのメディア領域に強い住友商事、電力と穀物領域に強い丸紅の大手5社がよく知られており、最大手では年間売上高が10兆円を超えるなど規模が大きいのが特徴です。

ちなみに、先ほど挙げた大手5社を総称して「五大商社」、ここに自動車やプラントなどを取り扱っている双日、金属やグローバル生産部品を取り扱っている豊田通商を加えた総称を「七大商社」と言います。

もう1つの専門商社とは、ある分野に特化した商品やサービスを扱っている会社のこと。専門性を生かした事業を展開しており、各商社がそれぞれの強みを持っています。例えば骨材・砂利・砂、セメント、アスファルト合材、生コンクリート、再生骨材といった建設資材に強みを持つのが東和アークスという商社。建設資材だけではなく、コンクリート二次製品や塩ビ製品といった土木資材の販売も展開しており、「なんでも調達できる東和」として高い評価を得ています。

近年、総合商社は生産者とメーカーのパイプ役としてだけではなく、新興国や途上国の資源開発事業への投資や、太陽光発電などの新エネルギー開発への参加、製品開発から製造・販売までを一括で行うなど、新たなビジネスモデルの開拓にも注力しています。他の総合商社とタッグを組んで海外の大きなプロジェクトに参画することもあり、ビジネスチャンスをより広げています。

そして専門商社においては、同じ分野で強みを持っているいくつかの商社が経営統合し、新たな会社を設立するなど、業界再編の動きが進んでいます。また、専門商社でも海外進出する企業が増えており、その活躍の場は国内にとどまりません。どちらにしても、商社には可能性のある分野とそうでない分野を判断してスピーディーにビジネス展開をしていく力が求められています。(2021年5月17日 更新)