医師の数が多いエリアでの転職は工夫が必要 ~医師編~

日本は先進国の中で最も医師が少ない国と言われています。深刻な医師不足が叫ばれて久しいですが、実は日本全国どこでも医師が足りていない、というわけではなく、少し古いデータですが、厚生労働省の従業地別にみた人口10万対医師数は、2006年12月31日現在で、東京など一部の例外を除き、東日本は医師が全国平均に達していない、つまり不足している傾向があり、一方で西日本は京都や大阪をはじめ、全国平均を上回る府県が多いという結果が出ています。

また、「医師不足」と一言に言っても、全ての診療科で医師が不足しているわけではなく、特定の6つの診療科、特に産科と小児科の医師不足が深刻となっています。産科も小児科も、勤務時間が長くなりがちであるほか、医療事故に対する訴訟が増加していることが原因に挙げられています。

さらに、少子化により子供の数が減ったことで、親は自分の子供をとても大切に育てるようになりました。それが行き過ぎた結果、ちょっとしたことで過剰なクレームを入れる、いわゆるモンスターペアレントやモンスターペイシェントへの対応に疲弊することも関係しています。

実は、医師の転職理由のトップには「過剰な業務負荷・リスクの解消」があります。このことからも、医師を取り巻く環境があまり良くないことが窺えます。独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、医師の4割以上が週60時間以上の勤務をし、約8割がなんらかのヒヤリハット体験をしているという結果が出ており、医師という職業が全般的に蚊重労働を行っている傾向が見られます。他にも、精神的な負荷の高さや重責から精神疾患を患い、休職をする医師もいます。

他に医師の転職理由として多いのは、「家庭や生活の事情」や、「拘束時間・通勤時間の長さによる負担軽減のため」というものです。医師は業務の都合上、休日出勤や長時間労働が常態化してしまいがちです。そのため、家族との時間を取ることができず、子供が小さいうちであれば配偶者との育児負担の兼ね合いなどを考え、転職を考えることが多いようです。

さて、先述したように大阪は医師の数が全国平均を上回っています。医師の求人は多いですが、それと同じように転職を希望している医師も多く、条件の良い求人案件はすぐに募集締め切りに達することも珍しくありません。そのため、複数の求人情報サービスに登録して、条件の良い求人を探しやすくすることをおすすめします。

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